大切な老後資金を減らす
「7つのお金の落とし穴」
知らないまま決めると、あとで「先に確認すればよかった」となりやすいポイントを、やさしい言葉でまとめました。
退職金は「自由に使える臨時収入」ではありません
退職金は、これから毎月入る給料が少なくなったあとに、生活を支えてくれる大切なお金です。たとえば退職金が2,000万円あっても、毎月10万円ずつ生活費の不足を補えば、単純計算で約16年8か月分です。
大事なのは、受け取ってすぐに動かすことではなく、まず「何に、いつ、いくら使うか」を分けることです。
あなたはいくつ当てはまりますか?
「はい」または「まだ分からない」を押してください。最後に、今の注意度と優先して確認する項目が表示されます。
7つの落とし穴と、避ける方法
必要な申告書を出さず、税金が多く引かれる
退職金を受け取る前に、通常は勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出します。提出しないと、退職金から所得税等が一律20.42%源泉徴収され、あとで確定申告による精算が必要になります。
退職金が2,000万円なら、申告書を出さない場合、単純計算で408万4,000円がいったん源泉徴収されます。最終的な税額がこの金額とは限りませんが、手元に入る額が大きく減って驚く可能性があります。
住宅ローンを急いで完済し、手元のお金が足りなくなる
住宅ローンを完済すれば、毎月の返済と将来の利息負担はなくなります。ただし、完済に使った退職金は手元からなくなるため、急な医療費や住宅修繕費に使える現金が減ります。退職直後には、家の修理、車の買い替え、医療費、子どもの支援などが重なることがあります。
退職金2,000万円のうち1,500万円で住宅ローンを完済すると、残りは500万円です。その後、屋根修理200万円、車150万円、生活費の不足分が年間120万円なら、1年後に残るのは30万円です。
退職金を一度に投資し、値下がりに耐えられなくなる
投資には値下がりがあります。給料がある現役時代と違い、退職後は損失を給料で埋めにくくなります。生活費や近い将来に使うお金を現金で確保し、少なくとも5年以上使う予定がないお金だけを投資の候補にしましょう。ただし、5年以上保有すれば元本割れしないという意味ではありません。
1,500万円を一度に投資し、直後に20%下がると、評価額は1,200万円です。300万円のマイナスを見て怖くなり、売って損を確定することもあります。
「おすすめ」だけで、仕組みや手数料が複雑な商品を買う
銀行や証券会社の担当者が親切でも、その商品が自分に合うとは限りません。購入時だけでなく、保有中や解約時に費用がかかる商品もあります。
「毎月分配金が出ます」と聞いても、すべてが運用利益とは限りません。購入時の価格を下回る部分から支払われる「元本払戻金(特別分配金)」になる場合があります。分配金だけでなく、基準価額を含めた資産全体の増減を確認します。
退職金・企業年金・iDeCoの受け取り方を別々に決める
iDeCoは、一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象です。ただし、会社の退職金などとの受取時期や過去の受取状況により、税金の計算が変わることがあります。
会社の退職金だけを見て「一時金が得」と決め、あとでiDeCoも一時金で受け取ろうとしたら、想定していた控除をそのまま使えない場合があります。
SNSの「必ずもうかる」「あなただけ」を信じる
著名人の写真を使った偽広告、LINEグループへの招待、偽の投資アプリなどがあります。画面上では利益が増えていても、出金しようとすると追加のお金を求められる例があります。
広告をタップ → LINEへ移動 → 先生や仲間が利益を報告 → 少額では出金できる → 大きなお金を入れる → 出金できなくなる、という流れです。
「退職金の額」だけ見て、退職後の出費を見落とす
退職後も、毎月の生活費に加えて、税金や社会保険料、家電・住宅の修理、医療・介護などの支出があります。退職直後の税や保険料は、前年の所得の影響を受けるものもあります。
「年金で毎月の生活費は足りる」と思っていても、固定資産税、自動車税、家電の故障、冠婚葬祭が同じ年に重なると、年間で数十万円以上の臨時支出になることがあります。
退職金を受け取る前の7日間ルール
- 受取額を確認額面ではなく、手取り見込額を聞きます。
- 書類を確認退職所得の申告書と提出期限を確認します。
- お金を3つに分ける1~2年以内・数年後・少なくとも5年以上使わない、に分けます。
- 大きな支出を書くローン、修理、車、医療、家族支援を並べます。
- 受取方法を並べる退職金、企業年金、iDeCoを一緒に考えます。
- 勧誘は持ち帰るその日に契約・送金をしません。
- 家族か専門家に見せる一人だけで最終決定しません。
わが家の確認メモ
入力内容はこの端末のブラウザ内だけに保存され、外部には送信されません。
参考にした公的情報
- 国税庁「退職所得の受給に関する申告」
- 国税庁「退職金と税」
- iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
- 金融庁「資産形成の基本」
- 国税庁「繰上返済と住宅ローン控除」
- 金融庁「分配金と元本払戻金」
- 警察庁「SNS型投資詐欺」
情報確認日:2026年8月29日
