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投資・NISA・iDeCo
30の解決事例
よくある失敗を、短い事例で分かりやすく解決
AFP川原監修
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01新NISAで何を買えばいいかわからない
62歳の春子さんの事例
春子さんは、銀行にある500万円を見ながら悩んでいた。
「NISAを始めたいけれど、商品が多すぎて選べない」
インターネットを見ると、次々に違う商品が紹介されている。どれが正しいのか分からず、半年たっても始められなかった。
最初から完璧に選ぶ必要はない
春子さんが最初にしたのは、投資する金額を決めることだった。
500万円を全部投資するのではない。当面の生活費と、近いうちに使うお金は預貯金で残した。
そのうえで、毎月1万円から積立を始めた。選んだのは、世界中の株式に広く投資する低コストの投資信託だった。
1年後
価格が下がる月もあった。しかし、少額だったため慌てずに続けられた。
「大切なのは、最高の商品を探すことではなかった。無理のない金額で続けることだった」
結論:初心者は、生活費を残して少額の積立から始める。商品を選ぶときの3つの確認
- 投資先が広く分散されている
- 手数料が低い
- 内容を自分で理解できる
02つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け
58歳の正夫さんの事例
正夫さんは、NISAには2つの枠があると知った。しかし、使い方が分からない。
「年間360万円まで使えるなら、早く全部使った方が得なのか」
退職金から300万円を成長投資枠へ入れようと考えた。ところが妻に聞かれた。
「そのお金、来年のリフォームに使う予定ではなかった?」
正夫さんは手を止めた。
2つの枠は役割が違う
まず毎月3万円をつみたて投資枠で積み立てることにした。長期で持つ分散型の投資信託を選んだ。
成長投資枠は、すぐに使い切らなかった。値動きを理解できる商品を追加購入するときだけ使うことにした。
リフォーム代は、投資せず預貯金で残した。
無理に両方使う必要はない
正夫さんは、年間投資枠を使い切ることが目的になっていた。しかし本当の目的は、老後のお金を守りながら育てることだった。
「枠が余っても損ではない。必要なときだけ使えばいい」
結論:つみたて投資枠を資産づくりの中心にする。2つの枠の使い分け
- つみたて投資枠:毎月、少額で続ける
- 成長投資枠:余裕資金で追加購入する
- 数年以内に使うお金:投資せず預貯金で残す
2つの枠を無理に使い切る必要はない。
30項目一覧へ戻る03iDeCoは本当に損しないのか
55歳の恵子さんの事例
恵子さんは、知人からこう聞いた。
「iDeCoは節税できるから、絶対に得だよ」
そこで、毎月2万円を積み立てようと考えた。しかし、よく確認すると大切な注意点があった。
iDeCoのお金は、原則として60歳になるまで引き出せない。さらに、投資信託を選べば元本割れする可能性もある。口座の管理手数料もかかる。
「節税できる」と「損しない」は違う
恵子さんは、5年以内に自宅を修理する予定があった。そのため、修理に使うお金までiDeCoへ入れることはやめた。
毎月2万円ではなく、無理なく続けられる毎月5,000円から始めた。残りのお金は、いつでも使える預貯金に残した。
60歳を迎えたとき
恵子さんは積立を続けることができた。しかし、これは「絶対に得だった」という意味ではない。
税金の軽減額、運用結果、手数料によって最終的な金額は変わる。恵子さんが失敗しなかった理由は、制度の弱点まで確認したからだった。
結論:iDeCoでも損する可能性はある。始める前の3つの確認
- 原則60歳まで引き出せない
- 商品によっては元本割れする
- 加入中や受取時に手数料・税金が関係する
近いうちに使うお金は、iDeCoへ入れない。
30項目一覧へ戻る04NISAで含み損が出たときの対処
64歳の隆さんの事例
隆さんはNISAで買った投資信託が10%下がり、スマートフォンを見ながら焦った。
「もっと下がる前に、全部売った方がいいのではないか」
しかし、売る前にこのお金をいつ使うのか確認した。生活費と医療の予備費は預貯金で確保してあり、投資したお金をすぐ使う予定はなかった。
値下がりと失敗は同じではない
投資先は世界中に分散され、手数料も低かった。長期で積み立てるという目的も変わっていない。
隆さんは、価格だけを見て判断するのをやめ、積立額を変えずに続けた。
NISAの損失には注意が必要
NISA口座の損失は、課税口座の利益と損益通算できない。含み損だけで慌てて売ると、損失を確定させることになる。
結論:値下がりだけを理由に売らない。売る前の3つの確認
- そのお金を近いうちに使うか
- 商品の中身や手数料に問題があるか
- 当初の投資目的が変わったか
05NISAで避けたい商品
60歳の久美子さんの事例
久美子さんは、証券会社の画面に表示された「人気ランキング1位」の商品が気になった。
「NISAで買えるのだから、安心な商品なのだろう」
ところが説明を読むと、どこへ投資するのか、なぜ大きく値動きするのか、自分の言葉で説明できなかった。
NISA対象は安全保証ではない
NISAは利益を非課税にする制度であり、購入した商品の値下がりを防ぐ制度ではない。
久美子さんは、信託報酬、投資先、過去の最大下落を確認し、理解できない商品は見送った。
分かる商品へ選び直した
最終的に、幅広い地域へ分散し、手数料が低く、仕組みを説明できる投資信託を選んだ。
結論:NISAで買える商品でも、自分に合うとは限らない。避けたい3つの特徴
- 仕組みを自分で説明できない
- 手数料が高い理由が分からない
- 1社・1業種・1地域へ集中している
06iDeCoの受け取り方で損する人
59歳の修さんの事例
修さんは、会社の退職金とiDeCoを同じ年に一時金で受け取ろうとしていた。
「どちらも控除があるなら、税金はかからないだろう」
しかし、退職金とiDeCoの受取時期によっては、退職所得控除の使われ方が変わる可能性があると知った。
受け取り方は3つある
iDeCoは一時金、年金、金融機関によっては両方の併用を選べる。一時金には退職所得控除、年金には公的年金等控除が関係する。
修さんは、会社の退職金額、公的年金額、iDeCoの残高を並べて比較した。
受け取る前に確認した
自分だけで決めず、受取年を含めて税務署と税理士へ確認してから手続きを進めた。
結論:iDeCoだけを見て受け取り方を決めない。決める前の3つの確認
- 会社の退職金額と受取年
- 公的年金とほかの所得
- 一時金・年金・併用の税負担
07NISAとiDeCoのどちらを先に始めるか
53歳の明さんの事例
明さんは、NISAとiDeCoの両方を勧められ、どちらを先にするか迷っていた。
「節税できるiDeCoを最優先にすればいいのか」
しかし、3年後には子どもの教育費が必要だった。iDeCoへ入れたお金は原則60歳まで引き出せない。
目的によって優先順位は変わる
明さんは、教育費と生活予備費を預貯金で確保した。残りは売却しやすいNISAで少額積立を始めた。
家計に余裕ができてから、60歳まで使わない老後資金をiDeCoへ積み立てた。
どちらか一方に決めなくてよい
NISAは引き出しやすさ、iDeCoは老後資金づくりと所得控除に特徴がある。必要に応じて併用できる。
結論:使う時期と節税効果で優先順位を決める。選ぶ前の3つの質問
- 60歳まで使わないお金か
- 所得税・住民税を負担しているか
- 近い将来に大きな支出があるか
08元本保証商品は本当に安全か
66歳の和子さんの事例
和子さんは「元本保証」と書かれた商品を見て安心した。
「元本が戻るなら、何も心配はいらない」
ところが確認すると、満期まで持った場合だけ保証され、中途解約では元本を下回る可能性があった。
金額が減らなくても価値は減る
100万円が100万円のままでも、物価が上がれば買える物は少なくなる。手数料がかかる商品もある。
和子さんは、いつ使うお金かを決め、途中で解約する可能性がある分は普通預金に残した。
安全の意味を分けて考えた
価格が変わらない安全、すぐ使える安全、物価上昇に備える安全は同じではないと分かった。
結論:元本保証と、生活を守れることは同じではない。契約前の3つの確認
- 誰が、どの条件で保証するのか
- 中途解約するといくら戻るのか
- 手数料と物価上昇に負けないか
09暴落が怖くて積立を続けられない
61歳の洋一さんの事例
洋一さんは毎月5万円を積み立てていた。株価が大きく下がった日、評価額の赤い数字を見て不安になった。
「これ以上減る前に、積立を止めよう」
しかし、積立を止めたくなるほど怖い原因は、制度ではなく投資額の大きさだった。
続けられる金額へ下げた
洋一さんは生活費と予備費を確認し、積立額を毎月5万円から2万円へ減らした。
価格を見るのも毎日ではなく、3か月に1回にした。
不安が小さくなった
下落は止められないが、自分が耐えられる金額には変えられる。積立額を下げたことで、安値で全部売る行動を避けられた。
結論:怖すぎるなら、積立額が自分に合っていない。不安を減らす3つの行動
- 生活費を投資していないか確認する
- 眠れる金額まで積立額を下げる
- 価格を確認する回数を減らす
10SNSの投資情報に振り回される
57歳の裕子さんの事例
裕子さんは、SNSで紹介された商品を見るたびに気持ちが揺れた。
「今買わないと乗り遅れる」「この商品はもう古い」
動画を見るたびに投資信託を乗り換え、何を持っているのか自分でも分からなくなった。
情報を見る前に基準を作った
裕子さんは「なぜ買うのか」「何年間持つのか」「どこまで下がっても持てるか」を紙に書いた。
SNSだけで決めず、目論見書、公的情報、金融庁の登録業者検索も確認した。
その場で買わない
気になる情報を見ても、翌日までは契約も送金もしないルールにした。焦って乗り換える回数が減った。
結論:再生回数やフォロワー数は、情報の正しさを保証しない。情報を見るときの3つの確認
- 発信者が紹介料を受け取るか
- 損失や手数料も説明しているか
- 登録業者と正式な取引画面か
11高配当株に集中して損する
63歳の健二さんの事例
健二さんは、年金に配当金を上乗せしたいと考えた。
「配当利回りが高い株を集めれば、毎年安定した収入になる」
利回りだけを見て、同じ業種の3社へ資金の大半を投じた。
減配と値下がりが同時に起きた
業界全体の業績が悪化すると、配当が減り、株価も下がった。配当を受け取っても、資産全体では大きな損失になった。
高配当は、企業が将来も同じ配当を続ける保証ではなかった。
資産全体を分散した
健二さんは1社と1業種の上限を決め、国内外の株式や預貯金へ分けた。
結論:高い配当は、安全の証明ではない。買う前の3つの確認
- 1社・1業種に集中していないか
- 利益以上の無理な配当ではないか
- 配当を含めた資産全体で判断したか
12一括投資で大損する人
65歳の文雄さんの事例
文雄さんは、退職金2,000万円を受け取った直後に金融機関へ行った。
「預金のままではもったいない」と言われ、1,500万円を一度に投資した。
その直後に相場が下がり、評価額は大きく減った。金額の大きさに耐えられず、安値で売りそうになった。
一括投資そのものが悪いわけではない
問題は、生活に必要なお金まで投資したことと、下落したときの損失額を確認していなかったことだった。
文雄さんは生活費、住宅修繕費、医療予備費を先に預貯金へ分けた。
残りを時間分散した
運用に回せる金額を決め、複数回に分けて投資した。値下がりしても生活が困らない状態を作った。
結論:退職金を受け取った勢いで、一度に投資しない。投資前の3つの確認
- 10年以内に使うお金を除いたか
- 30%下落した損失額に耐えられるか
- 投資する時期を分ける必要があるか
13投資信託の乗り換えで損する理由
56歳の弘美さんの事例
弘美さんは、毎年発表される運用成績ランキングを見ていた。
「昨年1位の商品へ替えれば、もっと増えるはず」
持っていた投資信託を売り、値上がりしたばかりの商品へ乗り換えた。
売った商品が回復した
乗り換えた直後、新しい商品は下がり、売った商品は回復した。弘美さんは上がった商品を高値で追いかけていた。
売買のたびに手数料や税金が関係する場合もある。
乗り換える基準を決めた
投資先、手数料、運用方針が当初の目的に合わなくなったときだけ検討することにした。
結論:昨年の成績だけを理由に乗り換えない。乗り換え前の3つの確認
- 当初の目的が変わったか
- 手数料や投資先に明確な問題があるか
- 税金と売買費用を含めて得か
14銀行窓口で勧められた投信
68歳の良子さんの事例
良子さんは、満期になった定期預金の相談で銀行へ行った。
担当者から「今人気です」と投資信託を勧められ、その場で契約しそうになった。
しかし、家族に「手数料はいくら?」と聞かれて答えられなかった。
資料を持ち帰った
購入時手数料、保有中の信託報酬、値下がりの可能性、解約条件を確認した。
100万円を買った場合に実際いくらかかるか、金額でも計算した。
別の商品と比べた
同じ投資先でも、より低コストの商品があると分かった。窓口の商品が悪いと決めつけず、自分の目的に合うかで選んだ。
結論:説明を理解できないまま、その場で契約しない。窓口で聞く3つの質問
- 100万円で手数料はいくらか
- どのようなときに元本割れするか
- もっと低コストの代替商品はあるか
15投資が続かない人の行動
52歳の直樹さんの事例
直樹さんは「毎月安い日に買おう」と考えていた。
忙しくて買い忘れ、値上がりすると焦って多く買い、値下がりすると怖くて何もしなかった。
いつの間にか、投資は面倒な作業になっていた。
判断する回数を減らした
給料日の翌日に毎月2万円を自動で積み立てる設定にした。
価格の確認は3か月に1回と決め、ニュースで売買しないようにした。
無理なく続けられた
投資を忘れても自動で買われるため、直樹さんの気分に左右されなくなった。
結論:意志の強さより、自動化が続ける力になる。続けるための3つの設定
- 自動積立にする
- 確認する日を決める
- 減額しても続けられる金額にする
16暴落が不安で眠れない
67歳の敏子さんの事例
敏子さんは、寝る前にもスマートフォンで評価額を確認していた。
「明日の朝、もっと減っていたらどうしよう」
眠れない日が続き、投資が生活と健康を壊し始めた。
損失を円で確認した
保有資産が30%下がると、いくら減るのか計算した。その金額は、敏子さんが耐えられる範囲を超えていた。
投資資産を3割減らして預貯金へ移し、価格通知も切った。
生活を優先した
利益を最大にするより、安心して保有できる割合にすることが大切だと分かった。
結論:眠れない投資額は、多すぎる。不安が強いときの3つの行動
- 下落時の損失を円で確認する
- 安心できる割合まで投資を減らす
- 健康に影響するなら専門家へ相談する
17老後資金2,000万円は本当に必要か
60歳の一郎さん夫婦の事例
一郎さん夫婦の貯蓄は1,600万円だった。
「2,000万円ない。老後はもう間に合わないのか」
数字だけを見て不安になったが、2,000万円はすべての家庭に共通する必要額ではない。
わが家の不足額を計算した
夫婦の年金見込額は月22万円、実際の生活費は月26万円だった。毎月の不足は4万円だった。
さらに住宅修繕、車の買い替え、医療・介護の予備費を別に見積もった。
対策が具体的になった
固定費を月1万円減らし、働く期間を2年延ばすと、必要な取り崩し額は小さくなった。
結論:老後の必要額は、わが家の不足額と期間で決まる。計算する3つの数字
- 年金の手取り見込額
- 現在の生活費
- 住宅・車・医療などの臨時費用
18年金だけで生活できるか
65歳の節子さんの事例
節子さんの年金は月14万円だった。
「平均的な高齢者は、年金だけで暮らしているのだろうか」
家計簿を3か月つけると、生活費は平均月16万円だった。
毎月2万円足りなかった
年金だけでは月2万円、年間24万円不足する。ただし、不足額が分かれば必要以上に怖がる必要はない。
通信費と保険を見直し、不足分は預貯金から毎月定額で補う計画を作った。
自分の数字で判断した
統計の平均ではなく、年金の手取りと自分の生活費を比べたことで、何年暮らせるか見通せた。
結論:年金だけで暮らせるかは、各家庭の支出で変わる。確認する3つの数字
- 年金から税・社会保険料を引いた手取り
- 1年間の平均生活費
- 毎月の不足額を12倍した年間不足額
19老後の取り崩し方で損する
70歳の茂さんの事例
茂さんは生活費が足りない月に、投資信託をその都度売っていた。
相場が下がった月ほど、多くの口数を売らなければ同じ金額を用意できない。
「このままでは、安いときに資産を減らし続けてしまう」
生活費の置き場を分けた
数年分の不足額を預貯金で確保し、すぐ使うお金を投資から切り離した。
投資資産は年1回だけ確認し、必要額と資産配分を調整することにした。
暴落時の売却を避けた
相場が悪い年でも、預貯金から生活費を出せるため、慌てて全部売る必要がなくなった。
結論:使う時期が近いお金は、投資したままにしない。取り崩し前の3つの準備
- 当面の不足額を預貯金で確保する
- 取り崩す日と金額を決める
- 年1回、残高と生活費を見直す
20医療費・介護費への備え方
62歳の幸子さんの事例
幸子さんは、将来の入院や介護が心配だった。
「いつ必要になるか分からないから、投資を全部やめて預金にすべきか」
しかし、必要額が分からないまま全額を預金にすると、老後の長い期間に備えにくい。
公的制度を先に確認した
高額療養費制度には年齢や所得に応じた自己負担上限があり、介護保険サービスにも自己負担割合と利用限度がある。
一方、差額ベッド代、食費、交通費、介護保険外サービスなどは別に必要になる場合がある。
お金の役割を分けた
医療・介護の予備費は預貯金、長期間使わないお金は無理のない範囲で分散投資に残した。
結論:公的制度を確認してから、現金の必要額を決める。備える前の3つの確認
- 自分の所得区分と自己負担上限
- 介護保険外で必要になりそうな費用
- すぐ使える預貯金の金額
21退職金を安全に運用する方法
60歳の達也さんの事例
達也さんは退職金2,200万円を受け取り、すぐ金融機関へ相談に行った。
「預金に置いたままでは損です。今ならこの商品がおすすめです」
大きなお金を初めて持った達也さんは、その日のうちに契約しそうになった。
半年間は動かさなかった
退職金は大きな臨時収入ではなく、これからの生活を支えるお金である。達也さんは普通預金に置き、使い道を整理した。
住宅修繕費、5年分の生活不足額、医療予備費を先に分けた。
残ったお金だけを運用した
値下がりしても生活に影響しない金額だけを、複数回に分けて投資した。
結論:退職金は、受け取ってすぐ運用しない。運用前の3つの準備
- 生活費・予備費・運用資金に分ける
- 複数の商品と金融機関を比較する
- その日のうちに契約しない
22老後資金が1,000万円しかない
64歳の浩二さんの事例
浩二さんの老後資金は1,000万円だった。
「この金額では足りない。高い利回りで2倍にしなければ」
焦って高利回り商品を探し始めたが、失敗すれば老後資金そのものを失う。
不足額を月単位で計算した
年金の手取りと生活費を比べると、毎月の不足は3万円だった。1,000万円という残高だけを見るより、対策が分かりやすくなった。
通信費と保険を見直し、週2日の仕事を続けることで不足額を減らした。
運用だけに頼らなかった
残った余裕資金は、値下がりに耐えられる範囲で分散投資した。
結論:老後資金の不足を、高利回りだけで解決しない。改善する3つの方向
- 毎月の支出を減らす
- 働く期間や収入を増やす
- 余裕資金だけを無理なく運用する
23投資と貯金の最適な割合
59歳の美代子さんの事例
美代子さんは「60歳なら資産の60%を預金にする」という情報を見た。
「年齢だけで決めれば簡単だ」
しかし、同じ60歳でも年金額、住宅ローン、家族構成、使う予定は異なる。
使う時期から逆算した
5年以内の住宅修繕費と生活予備費は預貯金にした。10年以上使わないお金は、値下がりに耐えられる範囲で投資した。
投資額が半分になった場合も想像し、持ち続けられる金額に抑えた。
年1回だけ見直した
相場が上がって投資割合が増えすぎたら、一部を預金へ戻す仕組みにした。
結論:全員に共通する投資と貯金の最適割合はない。割合を決める3つの基準
- いつ使うお金か
- いくら下がっても持てるか
- 年金と毎月の不足額はいくらか
24高利回りをうたう投資が危険な理由
69歳の昭夫さんの事例
昭夫さんのもとへ「毎月3%、元本保証」という投資話が届いた。
「100万円なら毎月3万円。年金の足しになる」
担当者は「今月だけ」「選ばれた人だけ」と契約を急がせた。
年率で考え直した
毎月3%は単純計算でも年36%に相当する。高い利益が期待できるなら、通常はそれに応じた大きな危険がある。
金融庁の登録業者検索でも会社を確認できず、詳しい契約書も届かなかった。
送金を止めた
昭夫さんは家族と公的相談窓口へ連絡し、入金しなかった。
結論:高い利益に、低い危険だけが付く投資はない。勧誘を受けたときの3つの確認
- 利回りを年率へ直す
- 金融庁の登録業者か確認する
- 契約前に家族や公的窓口へ相談する
25友人・知人からの投資勧誘
63歳の信子さんの事例
信子さんは、20年来の友人から投資へ誘われた。
「私も利益が出ている。あなたにも得してほしい」
友人を疑うことに罪悪感があり、断りにくかった。
友人と商品を分けて考えた
親しい友人でも、商品の仕組みや運営会社まで正しく理解しているとは限らない。紹介料を受け取る場合もある。
信子さんが契約先と業者登録を尋ねると、友人は答えられなかった。
関係を壊さず断った
「家族と決めて、知人から紹介された投資は契約しないことにしている」と伝えた。
結論:信頼できる人と、安全な投資商品は別である。誘われたときの3つの行動
- 紹介者ではなく契約先を調べる
- 借金やカードローンで投資しない
- 断る言葉をあらかじめ決める
26「元本保証」と言われた投資の正体
71歳の勇さんの事例
勇さんは、海外の投資会社を名乗る人物から電話を受けた。
「国が関係する特別な投資です。元本は保証されます」
担当者は安心を強調したが、契約書には保証する会社、条件、期間が書かれていなかった。
振込先が個人名義だった
さらに、入金先として指定されたのは会社名ではなく個人名義の口座だった。
勇さんが金融庁の登録と会社所在地を尋ねると、担当者は話をそらした。
家族へ見せて止めた
勇さんは送金前に娘へ資料を見せ、契約を中止した。
結論:口頭で言われただけの「元本保証」を信用しない。元本保証の3つの確認
- 誰が、どの条件で保証するのか
- 契約書に保証内容が明記されているか
- 振込先が正規の法人名義か
27シニアが狙われやすい投資詐欺
74歳の澄子さんの事例
澄子さんはSNSで、著名な経済評論家の広告を見た。
「無料で有望株を教えます」
別の会話アプリへ招待され、最初は丁寧な説明が続いた。
画面では利益が増えた
指定された口座へ50万円を振り込むと、偽の取引画面では80万円に増えていた。
出金しようとすると「税金」「保証金」の名目で追加送金を求められた。
追加送金を止めた
家族に相談し、利益画面は実際のお金ではない可能性があると気づいた。警察と消費者ホットライン188へ相談した。
結論:画面上の利益は、実際に引き出せるお金とは限らない。投資詐欺の3つの特徴
- SNSから別の会話アプリへ誘導する
- 個人名義の口座へ振り込ませる
- 出金のために追加送金を求める
28夫婦で投資方針が合わない
60歳の健さんと雅子さんの事例
健さんは退職金を株式中心で運用したいと考え、雅子さんは全額預金を希望していた。
「預金だけでは増えない」「投資は怖い」
商品の話から始めるたびに、二人は口論になった。
目的から話し合った
まず、5年以内に使う生活費、住宅修繕費、旅行費を一覧にした。
次に、100万円減っても持ち続けられるか、二人で損失額を確認した。
家計全体で分けた
近く使うお金は預貯金、長く使わない余裕資金は分散投資にすることで合意した。
結論:商品ではなく、目的と許容できる損失額から話し合う。夫婦で共有する3つのこと
- 家計全体の資産と負債
- いつ、何に使うお金か
- いくらの損失まで耐えられるか
29親のNISA・iDeCoをどう管理するか
78歳の父と50歳の娘の事例
娘は、父がどこの金融機関でNISAとiDeCoを利用しているか知らなかった。
「もし入院したら、私がパスワードで操作すればいい」
しかし、家族でも本人のIDや暗証番号で勝手に取引すると、不正ログインや相続トラブルの原因になる。
パスワードではなく情報を共有した
父と娘は、金融機関名、口座の種類、問い合わせ先、書類の保管場所を一覧にした。
暗証番号とパスワードそのものは一覧へ書かなかった。
元気なうちに制度を確認した
父本人から金融機関へ連絡し、代理人届や家族サポート制度の有無を確認した。
結論:家族でも、本人のIDで勝手に取引しない。今のうちにする3つの準備
- 金融機関名と問い合わせ先を共有する
- 暗証番号そのものは書かない
- 判断能力があるうちに代理制度を確認する
30相続した株をどう扱うか
父の株を相続した由美さんの事例
由美さんは、父が保有していた株式を相続した。
「よく分からないから、全部売って現金にしよう」
しかし、相続直後に慌てて売る前に、手続きと税金を確認する必要があった。
口座の種類を確認した
通常口座の株式は、原則として父の取得費を引き継ぐ。一方、NISA口座から相続した上場株式等は、原則として相続開始日の価格が取得価額になる。
相続税評価の金額と、売却益を計算する取得費は同じとは限らない。
全部売る必要はなかった
納税資金、生活で使う予定、資産の集中度を確認し、一部だけ売却する方法も比較した。
結論:相続した株は、口座・取得費・納税資金を確認してから売る。売却前の3つの確認
- NISA・特定口座・一般口座のどれか
- 相続後の取得費はいくらか
- 保有・一部売却・全部売却のどれが合うか
確認した公的情報
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください」
- 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」
- 厚生労働省「高額療養費制度」
- 厚生労働省「介護サービスの利用料」
- 総務省統計局「家計調査」
- 国税庁「株式等の取得費」
- 国税庁「上場株式の評価」
- 国民生活センター「儲け話に関するトラブル」
制度・税制は2026年8月28日時点の公表情報を基にした一般的な説明である。個別の判断は金融機関、税務署、税理士などへ確認する。
